第06話|五感を癒す空間作り〜そして癒し探求の旅へ〜

音が 泉のように湧き出していた あの時間のあと

ふと 出会った もうひとつの道──

音楽療法と アート・セラピー

私は 3年生になって

新しい問いに 静かに 向き合いはじめました

──

音楽療法の授業の一環で

精神科病棟で演奏する機会がありました

私は ただ オーボエで演奏しただけ

それでも

私が演奏しているときにだけ

涙を流す方がいたり

静かに目を閉じて聴いていた方がいたり

とても 不思議な体験をしました

──

アート・セラピーのゼミで

“五感を癒す空間づくり”を考えて発表したとき

なぜそれを思いついたのかは

正直 よく覚えていません

ただ

その空間を形にしていく時間は

湧き上がるような喜びと

なんともいえない高揚感に満ちていて

今でもその感覚を

ありありと思い出すことができます

──これを 一生やっていきたい──

そう 心から思いました

けれど

その空間の中で

癒しの音楽を奏でたいと思っているのに

どんな音楽を奏でたらいいのか

それだけが どうしてもわからなかったのです

──

そうして

違和感を 胸の奥に押し込めながら

「クラシックでいくしかない」

という思いと

「本当の癒しって なんだろう」

という問いが

心の奥で ふくらんでいきました

──

そして私は

その問いを胸に

癒しを探す旅へと 静かに歩き出したのです

そしてその旅は いつしか

私自身の“本当の泉”と

向き合う時間へと つながっていったのでした

*次回|第7話へつづく*

問い編の記事はこちら

→ 泉にふれる問い

過去編の記事はこちら

→ 音楽迷子の記憶

現在編の記事はこちら

→ JAZZ OBOEの旅の途中

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この記事を書いた人

音楽迷子を経て──
自分らしさに還る旅の途中

湧き出てくる音楽と
五感を癒す空間を感じながら

JAZZを学び
リードのまわりの小物たちをつくる日々

音と暮らしの中に
私だけのリズムを見つけていく旅

これは
JAZZとリードと
私の“泉”の記録です