JAZZのルーツをたどる旅は
なぜか 私自身のルーツをたどる旅と重なり
やがてそれは
日本を知る旅にもなっていきました
なぜ日本人の私が
JAZZをやるのか──
それが どうしても知りたくて
そして 最後にたどり着いたのは
戦争で命を落とした 大伯父たちの存在でした
命をつなぐこと
生きるということへの問いが
音楽と結びつき
深く 心に刻まれました
──
そんなとき
JAZZに出会った頃
憧れていたミュージシャンの方のことを
ふと 思い出しました
思い切って 連絡をしてみると
JAZZを教えていただけることになったのです
そして
もう閉じたと思っていた音楽の扉が
ゆっくりと 再び開いていきました
私は あの日から
もう一度 音楽をはじめることができたのです

そのレッスンは
小さな頃に 父や母から教わっていたときのように
あたたかく 笑顔になれる時間です
レッスンを受けるたびに
日々の暮らしがどんどん楽しくなっています
まさか こんなふうに
音楽ができるようになるなんて
思ってもいなかった
少しずつ
「やっぱり私は 音楽が好きなんだ」
そう思えるようになってきて
毎日が すごく 愛おしいです
──
実は
その連絡をしたのは 私の誕生日の前日で
返信に気づいたのは 誕生日の朝でした
あれは
人生でいちばんうれしい 誕生日プレゼント
それ以来
毎日が そのプレゼントのつづきみたいです
──
音には まだなっていないけれど
心の中で ひとつになった
癒しの音楽と JAZZ
それは
湧き出てくる音楽への扉が
そっと 開いた瞬間でした
ここからきっと
まだ音にも 言葉にもなっていなかった “命のうた” が
少しずつ かたちになっていくのでしょう
どんなふうに 生まれてくるのか
私にも まだわかりません
けれど──
そのままのかたちで 湧き出てくる音たちと
新しい旅が もう はじまっている気がしています
──
音にならなかった想いたちが
少しずつ 音へと変わっていく
その はじまりの予感を抱きながら
