第12話|湧き出てくる音楽への扉がひらく──私の知らない世界がはじまっていく

JAZZのルーツをたどる旅は

なぜか 私自身のルーツをたどる旅と重なり

やがてそれは

日本を知る旅にもなっていきました

なぜ日本人の私が

JAZZをやるのか──

それが どうしても知りたくて

そして 最後にたどり着いたのは

戦争で命を落とした 大伯父たちの存在でした

命をつなぐこと

生きるということへの問いが

音楽と結びつき

深く 心に刻まれました

──

そんなとき

JAZZに出会った頃

憧れていたミュージシャンの方のことを

ふと 思い出しました

思い切って 連絡をしてみると

JAZZを教えていただけることになったのです

そして

もう閉じたと思っていた音楽の扉が

ゆっくりと 再び開いていきました

私は あの日から

もう一度 音楽をはじめることができたのです

そのレッスンは

小さな頃に 父や母から教わっていたときのように

あたたかく 笑顔になれる時間です

レッスンを受けるたびに

日々の暮らしがどんどん楽しくなっています

まさか こんなふうに

音楽ができるようになるなんて

思ってもいなかった

少しずつ

「やっぱり私は 音楽が好きなんだ」

そう思えるようになってきて

毎日が すごく 愛おしいです

──

実は

その連絡をしたのは 私の誕生日の前日で

返信に気づいたのは 誕生日の朝でした

あれは

人生でいちばんうれしい 誕生日プレゼント

それ以来

毎日が そのプレゼントのつづきみたいです

──

音には まだなっていないけれど

心の中で ひとつになった

癒しの音楽と JAZZ

それは

湧き出てくる音楽への扉が

そっと 開いた瞬間でした

ここからきっと

まだ音にも 言葉にもなっていなかった “命のうた” が

少しずつ かたちになっていくのでしょう

どんなふうに 生まれてくるのか

私にも まだわかりません

けれど──

そのままのかたちで 湧き出てくる音たちと

新しい旅が もう はじまっている気がしています

──

音にならなかった想いたちが

少しずつ 音へと変わっていく

その はじまりの予感を抱きながら

*次の章|JAZZ OBOEの旅の途中【現在編】へつづく*

問い編の記事はこちら

→ 泉にふれる問い

過去編の記事はこちら

→ 音楽迷子の記憶

現在編の記事はこちら

→ JAZZ OBOEの旅の途中

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この記事を書いた人

音楽迷子を経て──
自分らしさに還る旅の途中

湧き出てくる音楽と
五感を癒す空間を感じながら

JAZZを学び
リードのまわりの小物たちをつくる日々

音と暮らしの中に
私だけのリズムを見つけていく旅

これは
JAZZとリードと
私の“泉”の記録です