うたが湧き出てくる泉を潤す時間 #2|音の中で、わたしを整えていく

ここしばらく

毎日が ばたばたしていて

ゆっくりすることが できなかった

練習も

まともにできなかったし

眠る時間も ぜんぜん足りていなかった

ようやく

少しだけ

呼吸ができる朝が

やってきた気がした

音楽はかけずに

朝の音を聴いてみた

顔を洗うときの

水が 流れる音

タオルで 顔をふく音

手のひらでつける 化粧水の音

瓶を そっと置く音

冷蔵庫を 開ける音

また 閉める音

蓋を 開ける音

カップに 糀水を そそぐ音

そして 蓋を 閉める音

その 静けさの外で

誰かが 歩く音

車に乗る音

エンジンがかかる音

車が 遠ざかっていく音

誰かの音と

私の音が

重なっていた

YOGAをしているときも

音楽はかけなかった

呼吸の音

マットに触れる音

そのすべてが

耳にやさしく響いていた

そしてまた

朝の静けさの中へ── 

──

ケースを開ける チャックの音

グリスの蓋を そっと開ける音

管をつなぐ 小さな音

水を注ぐ 音

リードの 音

メトロノームの 音

それに合わせて踏む 足音

そして 私の オーボエの音

やわらかな朝の光の中

静かに 音が 重なっていく

“今日も はじまる”

そんな合図みたいに

音がひとつずつ 私を整えてくれる──

──

最近は

自分のまわりの音に

耳を傾けることさえ 忘れていた

音楽が湧き出てこない日があっても

音の中に 私は生きている

いつも たくさんの音に囲まれているのに

私は その音たちを 聴いていなかった

今日は これから

どんな音たちに 出会えるだろう

静かに耳をすませながら

また ひとつずつ

音とともに はじまっていく

*次回|#3 へつづく*

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→ 泉にふれる問い

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→ 音楽迷子の記憶

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→ JAZZ OBOEの旅の途中

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この記事を書いた人

音楽迷子を経て──
自分らしさに還る旅の途中

湧き出てくる音楽と
五感を癒す空間を感じながら

JAZZを学び
リードのまわりの小物たちをつくる日々

音と暮らしの中に
私だけのリズムを見つけていく旅

これは
JAZZとリードと
私の“泉”の記録です